[2019/08/30]
【MBTI】16タイプとサイコパス的要素
サイコパスとは
反社会的人格の一種を意味する心理学用語として精神病質というものがあり、 精神病質者を指してサイコパスと呼ぶ。
サイコパスの特徴
サイコパスは、 極端に冷酷なエゴイストであり、 感情が欠如していたり結果のみを追い求めるといった特徴を持っている。
サイコパスの主な特徴として以下のようなものが挙げられる。
- ・外向性が高い
- ・自己中心的な自信家、全能感が強い
- ・口が達者で表面的な魅力がある
- ・退屈しやすく、刺激を求める
- ・冷淡で共感性が欠如している
- ・他者に対して欺瞞的且つ操作的
- ・衝動的な行動
- ・ほか
サイコパスとMBTI
ではMBTIのタイプにおいて、 サイコパスになりやすいタイプがあるのかと言われれば、 そうではないといった結論になる。
脳科学者のジェームズ・ファロンによれば、 「特定の脳機能の低下」「特定の遺伝子による遺伝」「幼少時代に受けた精神的・肉体的虐待」の3つの要因が揃うことでサイコパスが形成される。
つまりサイコパスになるかどうかは個人的な問題に依る所が大きく、 MBTIとは切り離して考えるべきだといえる。
一方そういった問題とは別として、 サイコパス的な要素を有するタイプ、 或はサイコパス的な性格になりやすい面を有するタイプがいるのではないかといった疑問も生じてくる。
サイコパスと心理機能
そこで各心理機能におけるサイコパス的要素について考えてみようと思う。
- Se -
まずまずといった所だろう。
特に口が達者なタイプでもないが、 客観的事実を重視する気質によって表面的な魅力がもたらされるという面はあると思われる。
また退屈しやすさや衝動的な行動様式という点も有している。
- Ne -
Se同様まずまずといった評価。
自律的で大胆な気質が自己中心性や自信を生じさせる要因ともなり得る。
また同じ作業の繰り返しなどを嫌うなど、 退屈を感じやすい側面も持ち合わせている。
ほかSeとは異なり、 多面的に物事を捉える側面が口の達者さにつながる要因といえる。
- Te -
サイコパス的要素は高い傾向にある。
強い客観性を有しており、 (自分自身を含め)人の微妙な心の動きに鈍感な側面を持っており、 共感性の低さという点においてサイコパスの特徴と類似している。
ほか、 結果至上主義・即物的・ステイタス重視といった面においても、 サイコパスが有する特徴と類似している。
- Fe -
サイコパス的要素は低い傾向にある。
高い共感力や利他的な動機付けといった側面は、 サイコパスの特徴と相反する性質である。
一方ではコミュニケーション能力の高さに由来する表面的な魅力によって、 ある種他者を操作することに長けており、 見方によればサイコパス的な要素と言えなくもない。
とはいえ共感性や利他性という部分が根っこにあるため、 上記のような評価に落ち着いている。
- Si -
サイコパス的要素は低い傾向にある。
慎重且つ堅実な行動様式においてサイコパスのそれと相反している。
とにかくリスクを嫌う性向がサイコパスの気質と相容れない。
- Ni -
まずまずといった所か。
強い自律性や独創性は、 自信や自己中心性を呼び起こす要因となり得る。
ある種のナルシシズムはサイコパスの万能感と類似している面もあるだろう。
一方計画性に富んだ面はサイコパスの衝動性とは相反する要素といえる。
このように肯定的な要素と否定的な要素の両方を持ち合わせており、
詰まる所どちらが強調されるかといったところに落ち着くと思われる。
- Ti -
サイコパス的要素は高い傾向にある。
共感力に欠けている面や自律的な面は、 強い自信や自己中心性を呼び起こす種となり得る。
外面からその特徴を窺うことの出来るTeとは異なり、 内省の面においてサイコパスのそれと類似した点を有している。
- Fi -
サイコパス的要素は低い傾向にある。
内向機能として共感性にやや欠けた面を持っている一方、 感情機能としては同情的な側面も持っている。
また社会的地位や権力よりも個性や人間性といったものを重視する側面も有する。
総じて人間の内面性にフォーカスしており、 伽藍堂で乾いた内面を持つサイコパスとはそういった面で相反した性質を持っている。
サイコパス的要素を有する心理機能
以上より、
サイコパス的要素を持っている心理機能として、
Se・Ne・Te・Ni・Tiが挙げられる。
傾向としては、
衝動性においてSe・Ne、
感情面の乏しさにおいてTe・Ti、
自信や自己中心性さにおいてNiといった風に大別できるか。
基本的には上記の心理機能を優位機能として持っているかどうかといった点が今回の判断基準となり、
ESTP・ENTP・ENTJ・ISTPの4タイプが比較的サイコパス的な要素を多分に持つタイプということになる。
ESTP
サイコパスの特徴の項目に並んでいる特徴を押し並べて満たしている。
社交的でしばしば座の中心に位置し、 自身を中心として周囲を巻き込むグループリーダーの素質を持っている。
人当たりの良さ(Se-Fe)とは裏腹に内面は至ってドライ(Ti)であり、 このあたりのギャップがサイコパスのそれを彷彿とさせる要素の一つといえる。
或は自身の目的(Ti)のために他者を扇動(Se-Fe)するといった形で表現される場合もある。
但し他者に対して実際に共感している(Fe)という点が本物のサイコパスと異なる部分となっている。
ほか、 衝動的でリスクを恐れない態度・行動様式などが類似している点として挙げられる。
ENTP
人を集め扇動するカリスマ性においてESTPと共通している。
ESTPと異なるのは、 このタイプの方がより多弁(Ne-Fe)で自律性が高い(Ne-Ti)という点である。
サイコパスの特徴の項目で言えば、 特に全能感・口達者・共感性の低さといった部分に該当する。
サイコパスに見られる躁的なイメージを多分に持つタイプといえる。
ENTJ
衝動性を除いてサイコパスの特徴の項目に並んでいる特徴を押し並べて満たしている。
一言で言えば社会性と戦略性に富んでいるタイプのサイコパスに類似している。
自律的な計画性を持ちながらも(Ni)、 図抜けた実行力を持っており(Te-Ni-Se)、 典型的なカリスマ型のリーダーとして周囲を大胆且つ巧妙に導いていく。
確固たる社会的地位を築いていることが多く、 そのあたりが前2タイプと異なる部分となっている。
旺盛な前進力と行動力がサイコパスの冷徹な実行力を彷彿とさせるタイプ。
ISTP
高い外向性が特徴の一つであるサイコパスにおいて、 特例的にI型のこのタイプが該当している。
何が来ても動じない側面をもってこのタイプが候補に挙げられる。
そもそもサイコパスは一部の脳機能の異常によって、 通常の人間に比べて恐怖心が欠如しているという特徴を持っている。
そのため通常の人間であれば激しく動揺してしまう場面においても、 冷静で淡々とした態度を貫く傾向にある。
このタイプも、 緊急事態に際し実際の行動を通して冷静に対処することを得意とする側面を持っている。
またSeとFeを持っているため、 地に足のついたコミュニケーションはそれなりに得意としており、 孤高な態度を取りがちな反面、 人当たりの良い部分も持ち合わせている。
この辺りも、 特異な気質を有していながら、
一般社会に難なく溶け込むことの出来るサイコパスの特徴と類似している部分といえる。