[2019/01/01]

知覚機能と判断機能と性格 (ST/SF/NT/NF)

前回は向性と態度の組合せによる性格傾向を解説したが、 今回は知覚機能(S/N)と判断機能(T/F)の組合せによる気質や性格の特徴について考えていきたいと思う。
 その特徴が他人から認識しやすい向性と態度の組合せに比べると、 今回扱う知覚機能と判断機能の組合せはより内面的な部分に関わってくる。 向性と態度に比べて外から判断しにくい要素とも言えるだろう。 まああくまでも比較すればの話ではあるが。

基本的な特徴

 ST ( 行動的 / 実務的 / 権力主義 )
 SF ( 社交的 / 調和的 / 権威主義 )
 NT ( 合理的 / 理論的 / 能力主義 )
 NF ( 夢想的 / 理念的 / 理想主義 )


ST型の最大の特徴は実際の行動に重きを置くという点だ。 抽象的な概念や空理空論といったものをあまり信頼しない。 目に見える形で残る結果を求めて行動するといった非常に実務的な性格の持ち主である。 人によっては良くも悪くも行動そのものが目的となっている場合もある。 イメージはともかく、 内面的には最も堅実で客観的な権力主義思想の持ち主となる。
 SF型は押しなべて社交的で争いを好まないという特徴がある。 人間同士のつながりや人の気持ちなど人間性を大事にする。 とはいってもS型なので後述するNF型のように夢想的ではなく、 実際的なものを重視するタイプである。 内面的には流行や噂、 評判などを意識する権威主義的な思想の持ち主である。
 NT型は総じて合理主義的な性質を持っている。 実務的で堅実なST型と比べると、 良くも悪くも理論的でたいていの物事に対して改善の余地を見出そうとする。 そのプロセスにおいてルールや人間関係を軽視する傾向もある。 内面的にはクールで無機質な一面を持つ能力主義思想の持ち主である。
 NF型は人の価値観を重んじるタイプである。 SF型と異なる点は良くも悪くも形式的な人間関係に収まらないところであろう。 その関係性においてお互いの個性を尊重できているかどうかという部分に重きを置いている。 内面的には夢想的で人や物事の可能性を否定しない理想主義思想の持ち主である。

組織における役割・適性

ST型は実務的な気質の持ち主なのでたいていの職務に適応できる。 なのでポイントはどういった役職や位に就くのかという点である。 結論から言えばトップ以外にはそれなりに適応することができる。 ST型は堅実かつ実務的で周囲からその仕事ぶりを信頼されることが多い。 しかしながら自身が起点となって物事を0から思考することは苦手とする。 会社で言えば社長には向いていないタイプといえる。 とはいえ中間管理職であればその現実的な性向がプラスに働くことは多いだろう。 経営層とは違い、 中間管理職には既に一定の枠組みが設けられており、 ST型の得意とする地に足のついたロジックを生かせるポジションといえるだろう。
 SF型もST型と同じく実際的な性格の持ち主である。 異なる点は人間関係そのものに目を向けてる点だ。 良い成績を挙げることよりも職場の居心地の良さを意識するタイプといえる。 組織におけるSF型の需要としては、 例えば潤滑油的な役割を果たすことなどであろう。 俗に言うムードメーカーのように人間関係を取り持ちながら組織内や集団内に協調的な雰囲気を作り上げることが得意である。 別の見方をすれば、 SF型に求められるのは現場レベルにおける需要とも言えるため、 時には冷徹な意思決定が求められ孤独な境遇であることが多い組織の上層部への適性には欠けているといえる。
 NT型は大まかに言えばST型やSF型と対照的な特徴があると言える。 組織で言えば上に行けば行くほど向いている。 論理的な性格なので実務に適性がないわけではないが、 S型全般と比較すれば多少はその座を譲らなければならないともいえる。 逆に言えばNT型の需要はS型の苦手とする部分にあると言ってもいいだろう。 例えば研究・開発・マーケティングなどの部門には適性がある。 それらの部署では抽象的な思考や視点が求められるからである。
 NF型は4つの型の中で最も組織に適性がないといっていいかもしれない。 厳密に言えばNF型自身が組織という物差しで人や物事を測ることを好まないので適性とは別の次元の議論になるということだ。 あえて言えば個人の才能や意識に強く左右されるといっていいかもしれない。 そもそもNF型は理想ありきなので、 いかに現実と仲良くできるのかという議論になる。 なので型よりも個人に依る所が大きいという訳である。 人を型にはめることを嫌うNF型らしい結果といえばそうかもしれない。


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