[2018/12/31]
向性と態度と性格傾向 (EJ/IJ/EP/IP)
今回は、 向性(E/I)と態度(J/P)の組み合わせから性格傾向(行動方針・長所・短所)を考えていきたい。
なぜ向性と態度の組み合わせなのか?
向性と態度が共通すると「主機能」と「劣等機能」の向性と態度が共通するからだ。
当然と言えば当然の話ではあるが。
例を出すと、
ESTP・ESFP・ENTP・ENFPの主機能と劣等機能がそれぞれ、
ESTP・ESFP(主機能Se/劣等機能Ni)、
ENTP・ENFP(主機能Ne/劣等機能Si)というように外向知覚機能が主機能、
内向知覚機能が劣等機能という点で共通している。
それらが共通することで大まかな性格傾向を把握することができる。
たとえば行動の癖であったり、
他人から見た時の印象などのおおよその特徴を掴むことができよう。
- 行動方針 -
EJ ( 決断力がある / 断定的態度 / 組織活動を好む )
IJ ( 事前に情報収集 / 決定的態度 / 組織と個人 )
EP ( 行動先行 / 開放的態度 / 敷居をまたぐ )
IP ( 独断専行 / 流動的態度 / 単独行動を好む )
大まかにはJ/P軸で行動特性を分けられるだろう。
J型は概ね決断的で組織や集団を意識した行動を取る。
EJ型は計画性がある一方E型なのでその時々の状況にも意識が向けられている。
なので速やかに物事を判断することが得意である。
他に、
EJ型には社会的評価といった大きなモチベーションがあるため、
自ずと組織や集団での活動が多くなるという特徴がある。
IJ型は知覚機能が主機能なのでJ型ではあるが、
判断の際には情報にこだわるタイプである。
それもI型なので情報の吟味や事前準備を怠らないタイプだ。
内向判断機能が劣等のEJ型が断定的態度を取るのに比べ、
外向知覚機能が劣等のIJ型はめったに方針を曲げない決定的態度を取るといった違いがある。
P型は外向知覚機能優位なのでその時々の状況に応じるタイプであり、
そもそも断定や決定といった意識に欠ける面がある。
また組織や集団に対する意識もあまり強くない。
フラットで自然体という表現が適当かもしれない。
EP型はP型の特徴である開放的な態度がストレートな形で出るタイプと言える。
つまり状況次第で舵を切り替えるということを日常的に行うタイプである。
また、
知覚優位なため決定することよりも情報を集めることにこだわる。
しかもそれは外的な情報であるため、
まさに「やってみればわかるだろう」という行動先行型の態度に打って出る。
限られた情報の中で計画を立てて動くよりも、
行動から得られた情報をもとにその都度計画を立て直せばよいという考えである。
IP型はI型それも判断機能優位なので他の人や物を差し置いて自身の判断が最優先事項となる。
なので4つのタイプの中で最も組織性に欠けるタイプとなる。
とはいえP型なのでそれなりに柔軟性はあるし押し付けがましい態度もあまり取らないので、
それほど周囲から煙たがられるタイプでもない。
- 長所 -
EJ ( 遂行力 / 管理力 / 社会性 )
IJ ( 継続力 / 計画力 / 信頼性 )
EP ( 対応力 / 行動力 / 新奇性 )
IP ( 判断力 / 想像力 / 独自性 )
EJ型は状況(E)と枠組(J)のバランスを保ちながら事に当たるため任務遂行力に長けている。
また、
組織や集団と共に在るというのが基本的な考え方なので当たり前のように管理力を備えている。
総じて社会性が高く、
社会や集団の秩序を保つためにリーダーシップを発揮する。
IJ型はEJ型のように状況に対応する臨機応変さには欠けるが、
それ故に継続力に優れている。
なぜなら主観に対する絶対的な信頼が根拠(I)にあるからである。
なので対外折衝力にやや劣る面があるものの、
1つの仕事をやり遂げる意味で確かな信頼を得ることが多い。
EP型はIJ型のように強い指針を持たない分、
4つのタイプの中で最も状況適応力に優れている。
適応という所がポイントで、
EJ型のような判断力とは微妙に性質が異なっている。
言うなれば事の良し悪しは二の次ということで、
だからこそ素早く行動に表すことができるというのがEP型の強みとなる。
なので未知の物事に対する理解にも長けている面がある。
IP型は世間の価値観などにとらわれず、
自分の考えや思いに自信を持っているので判断力に優れた一面がある。
これはEJ型のように世間を軸にした断定的な判断力とは対照的である。
また、
I型なのでよく考えてから行動するので想像力にも長けている。
総じて独創的で個性的な人物が多い。
- 短所 -
EJ ( 断定的 / 支配的 / 俗物的 )
IJ ( 頑固 / 出不精 / 排他的 )
EP ( 軽薄 / 不誠実 / 胡散臭い )
IP ( 独善的 / 盲目的 / 落伍者 )
EJ型の短所は自他両方に対して価値観を押し付ける面であろう。
内向判断が劣等機能なので自分自身がどう感じるか、
どう思うかといった視点に欠けている。
世間の価値基準がすなわち自分自身の判断基準になり、
その物差しを他人にも当てようとする。
このことが人間一人一人が持つ個性への無理解につながる。
IJ型の短所は頑固さにある。
外向知覚が劣等機能なので状況の変化や新たな人間関係に対して消極的な態度を取る傾向が強い。
場合によっては自身の環境を頑として変えようとしないといった極端な排他性を見せることがある。
代替機能である内向判断がこの傾向をより強くさせている部分もある。
EP型の短所は人から信用されにくいという面であろう。
内向知覚が劣等機能なので一つの物事に向き合う姿勢に欠ける。
何事においても移り気で飽き性な気質が他人からの信用を得にくい大きな一因となっている。
また、
そういった気質のせいでEP型自身も自分の進むべき方向が定まらず自ら不利益を被るといった問題もある。
IP型の短所は価値観が独りよがりになることが多いといった面だろう。
外向判断が劣等機能なので世間の価値基準を軽視する一方で、
自分の価値基準を妄信してしまう面がある。
これは、
正反対のタイプであるEJ型と表層的な部分は違えども、
価値観の偏りという意味で本質的には同じ問題を抱えていると言っていいだろう。
加えて、
社会性や生活力に欠ける面があり、
これがIP型が日常的に抱えている問題の一つである場合も多い。
会社組織などに縛られない自由なライフスタイルを求めることもある。
例えば、
良くも悪くもノマドワーキングなどに抵抗がないことが多いのもこのタイプの特徴といえる。