[2019/08/31]
タイプ判定のプロセス
タイプ判定を行うにあたって、 私自身(管理人)が辿っているプロセスについて紹介したいと思う。 主に3つのパターンに分けられる。
- アルファベット2択法 -
(E/I,S/N,T/F,J/P)の各4要素をそれぞれ2択で判定する方法。
大抵はシンプルな特徴(E型は社交的で声が大きい等)をもとにして、
対象についての印象とそれらを照らし合わせて判定する。
そこまで厳密な観察は求められず、
あくまでも2択上どちらがより適当であるかといった観点から判定を行う。
《 長所 》
アルファベットについて特に規則性は無く、
目に付いた要素から順次判定できる自由さがある。
全体的にシンプルで取っ付きやすく、
とりわけ心理機能についての理解が浅い初心者はこの方法を取ることが多いだろう。
各要素を2択ずつに分けるというやり方上、
判定が大きく外れることは稀であり、
可もなく不可もなく使用することができる方法といえるし、
そういった点で初心者には推奨できる方法の一つともいえる。
また定量的に判定できるやり方であり、
それが判定を大きく外さない主な理由である。
《 短所 》
判定を大きく外さないという長所を持つ一方、
印象論に傾いてしまう面もあり、
正確性には欠ける部分がある。
また心理機能に対する概念に欠けているため、
対象の言動についても正確且つ慎重深く見極めることが難しくなる。
例えば、
その社交的な振る舞いがE型の気質に由来するものなのか、
或はI型のタイプが外向機能を用いた結果なのかといったことなどが例として挙げられる。
いずれにしても深い理解に到達しにくい面を本質的に持っている。
逆にこの方法のみで判定した場合は、
対象延いてはMBTIについて浅い理解で留まった状態にあるといえるだろう。
- 心理機能判定法 -
名前の通り心理機能にフォーカスした分析・評価方法。
外界に対するアクションにおいて、
内向機能よりも外向機能が目立ちやすく、
基本的に外向機能から判定を始めることが多くなる。
無論判定する順番は自由であるため内向機能からアプローチする場合もある。
但し内向機能は基本的に内省に使用されることが多く、
内側から判定できるケースにおいてそういったプロセスを辿りやすい。
例えば登場人物の心理描写が豊富な小説など、
いわゆる創作品などが上記のケースに該当する。
逆に身の回りの人間や有名人などは、
先述した基本的なプロセスを辿ることが多くなると思われる(あくまでも傾向ではあるが)。
心理機能に対する理解が必須であるため、
初心者というよりも、
MBTIについてある程度の理解を得ている中級者以上に推奨される方法となっている。
《 長所 》
そのプロセス上、
必然的に精査することが求められるため、
判定における正確性に富んでいる。
例えば、
アルファベット2択法の場合であれば断定的・決定的という傾向によって、
J型であるということを導き出せれば済む場合であっても、
今回の方法の場合それがTeとFeのどちらなのかといった所まで見極める必要があるからだ。
2択法で言う所のアルファベット2つ分(TJ or FJ)の判定を心理機能判別法では行わなければならない。
一方、
1つの機能が判定できれば、
他の機能を消去法的に絞り込むことが出来るため、
その点においては2択法よりも効率性に優れている。
いずれにしてもこの判定法を用いれば深い理解に到達することができる。
まあそもそも心理機能について一定の理解度が要求されるため特筆すべきことではないかもしれないが。
《 短所 》
長所と短所は表裏一体とは言うが、
この方法もその例外ではない。
精査することによって正確性が担保されると同時に、
判定するまでにある程度の時間を費やさなければならないという端的なデメリットが生じる。
先述したように、
1つの心理機能を確定させるためには、
向性・態度・知覚・判断において全てを統合して分析・検討しなければならず、
それに伴い、
必然的に費やす時間も多くなってしまう。
またこの判定法にはE/I軸を確定しにくいといった側面も存在する。
なぜならI型であっても外向機能を用いれば、
一見E型のように振る舞えるという概念を使用するため、
外向機能を主機能として有しているか否かという所まで考える必要があるからだ。
MBTIを深く理解し、
正確性を求めるが故の副作用といったところだろうか。
- 併用型 -
文字通り、
アルファベット2択法と心理機能判定法を併用するやり方である。
基本的には、
2択法でおおよその見当を付けた後、
具体的な心理機能についてのアプローチを行うというプロセスになる。
ちなみに判定ページをご覧いただければ分かる通り、
個人的にはこの方法においてとりわけJ/P軸から絞り込むプロセスを辿ることが多い。
J/P軸を絞り込むことが出来れば、
知覚を外向しているのか、
判断を外向しているのかという点まで同時に絞り込むことが出来るからである。
《 長所 》
無論この方法には両者の短所を補い合い、
長所を掛け合わせるという目的・効果がある。
先述したように心理機能から判定するやり方は、
精査する必要に迫られる上、
評価・検討もやや難しい面がある。
その点この併用型であれば、
始めにおおよそのアウトラインを設けるため、
2択法のスムーズさと心理機能判定法の正確さの良い所取りが出来る。
併用することがダブルチェック的な効用をもたらすため、
特に正確性については単一の方法よりも幾分か向上される。
《 短所 》
そもそも双方の短所を補い合う目的を持つ方法であるし、
実際にそうなることがほとんどである。
強いて言えばご都合的な判定に陥るリスクは有るといえる。
つまり2択によってアウトラインを設けるのは良いが、
それを信頼するあまり、
心理機能の考察にバイアスが加わってしまう場合もあるだろう。
そうなるともはや本末転倒といえる。
とはいえその点に注意すれば充分に理に適ったやり方ではあると思われる。
結局、併用型に落ち着くのではないか?
以上を踏まえれば、
端から短所が少ない併用型を用いるのがベストな選択ではないのかといった結論及び疑問に達することだろう。
結論から言えば、
そうとも限らないというのが現状である。
主な理由の1つとして例えば、
ユング心理学とMBTI理論の相違点が挙げられる。
そもそもJ/P軸はMBTIの創始者であるブリッグスとマイヤーズが用いた指標であり、
故に心理機能によるアプローチと微妙な齟齬が生じる場合がある。
また上記のような込み入った話でなくとも、
単純にJ/P軸の判定の段階で誤ってしまえば、
かえってその後の心理機能のアプローチの障害となってっしまう。
以上のような問題もあるため、
いかなる場合においてもベストな方法というのは一概には断定することは出来ない。
とはいえ前項でも述べたように、
併用型が理に適った方法であることには変わりはなく、
実際の所はこの方法を採用するという人が多いようにも思われる。