[2019/07/27]

[ENFP] 主機能、主機能と代替機能に依存した場合

ENFPにおけるFiの役割

Neによってかき集められた情報について、 価値観や人間関係の調和に基づいて判断を行う。
 外向知覚主機能のタイプなので情報に対して高い開放性を持っており、 縦に掘り下げるよりも横に広げることを好む。 直観機能なので対象のアウトラインにフォーカスを当て、 全体像や関連性を捉え、 延いては閃きを得る。
 言い換えれば、 多角的な視点を持っており、 それだけ多種多様な情報を想定している。
 五感では把握できない情報、 例えば概念や未来に関する情報まで包括して取り扱う。 そのためE型としては内省的で思考活動を好むタイプでもある。
 以上から、 その直観型の気質により、 多種多様な情報を吸い上げようとする。
 加えて対象のアウトラインや全体像に着目していることから、 あらゆる可能性を見出し、 それを追求するために精力的に活動を行う。
 すなわちENFPにおけるFiの役目とは、 上記のような雑多な情報及び閃いた可能性に対して、 価値観や人間関係のフィルターを通して、 合理的な観点から優先順位を付けたり、 採用すべき可能性を絞り込むことにある。
 但しここで言う価値観や調和とは主観に基づく独自のもののことを言う。 Feのように客体による判断、 つまり相手や周囲の人間、 延いては世間一般的な価値観に基づく判断とは異なっている。 主にNeに対する、 すなわちアイデアや可能性に対する個人的価値観や自身の心の動きに基づく判断のことである。
 そもそも人は判断機能を用いて、 情報に対する意味付けや位置付けを行ったり、 相対的な重要度や良し悪しを決めたりしている。
 ENFPにおいてはFiが正常に働くことで、 自分自身が何に価値を置き、 何を好んでいるのかといったことがより意識的且つ明確化される。
 多様な情報を求めるNeに対して、 意識すべき情報を絞り込むような役目をFiが果たしているといえる。

Neに依存した場合

Neに依存した場合、 好奇心の赴くままにいろんな物事に着手するが、 そのほとんどが中途半端に終わってしまう。
 劣等機能を克服することはどのタイプであっても困難といえる、 特に人生の前半においてはその傾向が顕著である。 とはいえ補助機能が上手く働かないことによって、 その影響がよりダイレクトに表れてしまう。
 ENFPの場合その劣等機能Siについてである。 つまり物事を最初に決めた通りに最後までやり遂げることや、 後で間違いを訂正することのないように粘り強く取り組んだりすることを元来より疎かにしがちであり、 その盲点がより強く作用する。
 一方主機能のNeの影響として、 新しい情報や可能性に刺激されることによって、 本来の道筋を変更するなど注意力が散漫になってしまう。 延いては物事全般において単発的に終えたり、 やりかけのまま次なる興味に着手することになる。
 また人間関係における影響として、 積極的に人に関わろうとする性向に反して人を上手く集められないという問題が挙げられる。 これはFiが上手く働かないことによって引き起こされる問題の一つである。
 例えば自身の価値観が先行しすぎて、 人に対する影響力に欠けていたり、 説得力に乏しくなる。
 またFi即ち内向判断機能が作用しないことで、 アイデアや可能性に対する焦点、 引いては行動の散漫さが目立つようになる。

NeとTeに依存した場合

前項とは異なり、 代替機能とはいえ判断機能の力が働くことによって、 その分だけ社会性の面でその幅が広げられる。
 例えば雑多なアイデアや可能性の中から機能性の高いものを選び出すことができる。 しかしながらあくまでもNeが主機能であるため、 場当たり的な判断も少なくないといった問題が付いて回る。
 また整然とした組織性や既存の合理性に基づくことによって、 物事の達成率や計画性が向上するものの、 本来の持ち味であるFiが押さえ込まれることで、 モチベーションの面に影響を与えるため、 継続的に事に当たることに難が生じる。
 他の面においては、 Neの有する特性が半減されることが挙げられる。 Teという外向判断機能によって情報の評価が行われるため、 そのアイデアや可能性が画一的で一定の枠内に押さえ込まれるなど、 Neの有する自由度の高さとそれによる創造性を充分に発揮することが困難になる。
 ENFPのクリエイティビティについて、 基本的にはFiという独自のレンズを通すことによって見出されるべきものであるといえる。
 世界を主体化して捉えるF型の資質から見た場合も、 先述したように代替機能Teに依存することでその持ち味を犠牲にしていることに変わりはなく、 つまるところその主機能Neの良さを発揮できなくなってしまう。


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