[2019/09/05]
S型が世間の大半を占めているという事実
今回はタイプの偏りについて考えていきたい。
MBTIは16タイプに分類されてはいるものの、
実際のところ人口が均等な割合で分かれているわけではない。
指標や機能によってその割合に偏りが見られ、
とりわけ知覚機能(S/N)においてその傾向が顕著である。
なので今回はタイトルにあるように、
S型が人口の多数を占めている現実について考察を進めていきたい。
S型の割合
冒頭でも述べたように、
16タイプは実際のところS型が多数派を占めている、
即ち偏りが発生している。
「MBTI Manual」の統計によれば、
全体の73.4%をS型が占めている。
つまり世の中の4人に3人はS型であり、
そうである以上MBTIを考える上で考慮すべき事実の1つといえるだろう。
そしてこの事実が様々な事柄に影響を与えており、
それこそが今回の記事の趣旨となっている。
世間の常識・文化に与えるS型の影響力
例えば世間の常識・文化はしばしば多数派の人間の影響力を受けることになる。
MBTI的に言えばS型が多数派に属している、
即ち世間の常識・文化はS型を中心に形成されているのではないだろうか。
S型によって作られるというのはいささか大げさかもしれないが、
一定の影響力は有しているはずだろう。
外側から見た印象に表れやすいからか、
MBTIではしばしば向性(E/I)と態度(J/P)が注目されがちである。
しかしながら上記の通り、
実際には知覚(S/N)の違いもまた人や文化について考える上で重要なファクターとなっている。
あなたはSJ型か?SP型か?
やや乱暴に考えれば、
相手のタイプを判定する際、
まずはS型であるという前提から進めるアプローチも有効といえる。
さらに言えば、
態度(J/P)の割合は知覚ほど偏ってはいないため、
SJ型なのかSP型なのかというところから話が始まるわけである。
以下SJ型とSP型の主な特徴。
SJ型
・地道 / 保守的 / 計画的 / 前例主義 / 従属的 / 権威主義
SP型
・要領良い / 投機的 / 衝動的 / 臨機応変 / 奔放 / 現実主義
判定のプロセス
S型であるかどうかは勿論のこと、
E/I比率にも偏りがあるため(日本人はI型の方が多い)、
まずは知覚機能と向性に着目することから始まる。
確率から言えばIS型/ES型/EN型/IN型のように、
IS型が最も多い、
IN型が最も少ないタイプとなる。
続けて前項で述べたSJ型とSP型の判別、
即ち態度の違い、
最後に判断機能(T/F)を見極めるといったフローを辿る。
以上のフローは判定プロセスとして有効な手立ての1つとなるだろう。
なぜS型が多数派になったのだろうか?
- 環境適応説 -
およそ2パターンに分けられる。
目の前の現実に適応するという、
生物の基本とS型の気質の相性が良かったことを理由とする説が1つ。
もう1つが、
元々多数派であったS型が順当に繁栄していったという説である。
イメージしやすいのは前者の方かもしれない。
後者についても元を辿れば前者の理由と近い部分はあるだろう。
常に多数派に有利な環境が形成されていくといった所である。
仮に少数派(この場合N型)に権力をはじめとする主導権の類が渡ったとしても、
何か事を成す過程においてやはり多数派の存在は無視できない、
即ち多数派(S型)に沿った環境作りを念頭に置かねばならないだろうということだ。
- 組織需要説 -
絶対数の問題として、
組織全体を俯瞰したり、
長期的な計画を立てる役割を担うべき人間は限られており、
つまりは需要が限られているということでもある。
無論N型により強く関わる問題(需要)ということである。
逆に現場における細かい部分や目の前の仕事を緻密に処理すべき役割を担う人間は多く、
S型の需要はN型と対照的にそもそもの母数が大きい。
あくまでも多数派はS型であるため、
組織体制や対象顧客その他諸々に関して、
S型を前提或は中心に物事を進めていた可能性は大きいと思われる。
こういった組織における需要が延いては人口動態に深く影響を与えているのではないだろうか。