[2019/09/02]

「丸くなる」とは即ち代替機能の発達

人の性格や雰囲気について「丸くなる」という表現をしばしば目にしている。
 今回はこの「丸くなる」という現象が、 MBTIで言う所の「代替機能の発達」に相当するのではないかという仮説について述べていこうと思う。

「丸くなる」とは

「丸くなる」いわゆる人間が丸くなるとは、 激しい気性が以前よりも穏やかになることであったり、 年を経て精神的に成長することを言う。
 対義語というか逆の意味・状態としては、 「尖る」「突っ張る」などが該当するだろうか。

人生経験によって丸くなる

丸くなる理由、 或は丸くなるために必要なこととは、 即ち人生経験であると思われる。
 経験を経ることで人が丸くなるのは、 そもそも丸くなるという概念が、 自分自身のコントロールが上手くなることや、 相手の立場に立って物事を捉えることが出来るようになることを示唆しているからであると考える。
 また丸くなる時期については、 比較的30代を皮切りにその変化が見られる傾向があると思われる。
 人は例えば仕事・結婚等において、 自分が置かれた環境や立場の変化に伴い、 自分自身を変える必要に迫られる。 そういった変化に際して、 肯定的なフィードバックを生み出した場合に「丸くなる」という表現が用いられると思われる。

「丸くなる時期」と「代替機能が発達する時期」

本題はここからで、 「丸くなる時期」と「代替機能が発達する時期」が重なっており、 つまりは「丸くなる」ことが即ち、 MBTIにおける代替機能の発達に相当するという仮説を思いついた次第である。
 具体的には先述したように30代を皮切りにその傾向が表れると思われる。 10代から20代に掛けて優勢機能が一定の水準まで発達し、 さらなる向上に当たって代替機能に意識が向けられる。
 そして代替機能が発達するということは、 それまでは偏っていた視座(優勢機能)に新たな視座(代替機能)が加わるとも言うことが出来る。
 これは前項で述べたような言わば他者理解の切っ掛けであり、 即ち丸くなるということと同義であるとする。 心理機能のバランスが保たれた状態でもあるため、 自身のコントロールが上手くなるという点においても同様の意味を持っている。

タイプにおける具体例

MBTIのタイプにおいて、 どのような変化が表れるのか、 以下ENTP・ENTJ・INFPを例に挙げて考えたい。

[ENTP] コンセンサスを巧に取り入れる

自由な発想力や多角的な視点をもとに、 世間に対して積極的にアイデアや意見を投げかけることを好む一方、 人々のコンセンサスを得ることに苦労する面を持つ。
 これは主に、 可能性や着想の是非を判断するプロセスにおいて、 倫理感や他者への心理的影響を顧みないこと(Ti)に起因している。 そのため世に影響を与える過程において他者の同意や協力を得られにくい、 或は自ら放棄してしまう面を持っている。
 従ってENTPが代替機能Feを発達させた場合、 人々のコンセンサスを取り入れながら、 上手にその目的を果たすアプローチに磨きがかかる。

[ENTJ] 再現性の高い戦略の構築

高飛車な態度やビッグマウスで敵を作りやすいタイプといえる。
 それは主機能Teの厳格さや性急さにも起因しているが、 補助機能Niも同程度かそれ以上の影響力を有している。 主に強い自律性と理論的な面の相乗効果による大胆さがその理由といえる。
 即ち現状(Se)を軽視する姿勢が、 人々を寄せ付けない態度を生み出し、 必要以上に誤解や軋轢を生じさせる原因となる。
 よってENTJにおける代替機能の発達、 再現性の高い戦略を構築し、 延いては人々の信頼そして成功を掴み取ることを意味する。
 言い換えれば、 Seを発達させるということは、 Niの質を向上させるということでもある。 そのためTeの性急さや即物的な価値観が抑えられて、 代わりに磨かれた戦略性(Ni-Se)が芯の強さや落ち着きといった形で表現され、 人間性や雰囲気にある種の丸みや円熟したものをもたらすようになる。

[INFP] 現実的な落とし所を見極める

理想主義者という言葉が似合うタイプの一つといえる。 INFPにおいては主機能のFiもそうだが、 それと同等かそれ以上に、 補助機能のNeによってその価値観が形成されている。
 このNeによって現実を多面的な視点から解釈し、 Fiとの相乗効果によって、 個人の価値観を貫くことを促している。
 しかしながら一方では、 理想に傾倒することを、 現実を否定することとはき違えてしまうことも多くある。
 そのためINFPにおける代替機能の発達とは、 多様性に対する理解を残しつつも、 現実的な落とし所を考慮することを覚えることにあるといえる。
 よってINFPにおいて丸くなるということは、 現実を充分に踏まえた上で、 己の理想や筋を通しながらも、 最終的には上手に着地点を見出せるようになることと同義である。


category:MBTI

管理人:tosh
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