[2019/09/03]
FiとSeの時代
今回は現代の時代性を心理機能にたとえた場合、 FiとSeが優位にあり、 おおよその流れとしてNeが働ているという仮説について考えていきたい。
以前はFeが優位な時代だった
一言で言えば「みんなが同じものを見て、
同じことをすることを良しとする」ような時代性があったといえる。
それを基に様々な文化や価値観が形成されていった。
上記のような時代性が生じた理由として、
TVを始め様々な媒体(メディア)が現代に比べて限定的であったことが挙げられる。
そのため多くの人間が少数のコンテンツを享受する流れが生じたといえるだろう。
今よりもTV・ラジオ・新聞等のマスメディアの影響力・支配力が強かった時代ともいえる。
そういった時代性においては、
他者と文化や価値観を共有出来ることが重要であり、
MBTIにおけるFe的な判断が優位な時代であったと考えられる。
インターネットという大革命
前項のような時代性に大きな変化をもたらしたのがインターネットである。
時代としては1990年代後半から2010年代前半に掛けてがその転換期となっている。
具体的には、
90年代後半から00年代前半にかけてPCや携帯電話が普及し、
00年代後半以降にはSNS・動画共有サイトの成長期が始まった。
そんな中、
10年代前半にスマホが登場及び普及することによって現代の時代性の基礎が完成した。
俗に言うIT革命によって時代性・文化・価値観が大きく変化した。
上記の変化をMBTIに置き換えると、
Fe優位の時代から、
Fi・Se優位の時代へと変化を遂げたといえる。
[Fi] - 個人の価値観と自由 -
旧来のマスメディアにインターネットメディアが新しく加わったことで、
文化や価値観に多様性が生まれた。
MBTI的に言えば、
Fiに追い風が、
Feには向かい風が吹き始めたともいえる。
ポイントとしては、
個人の趣味趣向・価値観の表現において再現性が高まったことが挙げられ、
前時代との差はまさしくその点にあるといっても過言ではない。
そしてその再現性はSe優位の時代性にも影響を与えている。
[Se] - バズの応酬 -
個人に表現力が与えられた結果、
流行が目まぐるしく変化する時代に突入した。
具体的には、
SNS・動画共有サイトの発達を機に個人に発信する機会が設けられ、
それによって流行の細分化と流行のサイクルの短期間化するという現象が起こり始めた。
その大きな要因の1つとして、
人々の五感に訴えかけるアプローチが挙げられ、
これこそがまさしくSe優位の時代性の本質といえるだろう。
Fi優位の流れも含め、
インターネットメディアの充実が上記のような時代性をもたらしている。
[Ne] - 拡散していく未来 -
以上のように現代においてFiとSeが優位な現状があるが、
時代の流れそのものについてはNe的であるとえる。
実際IT革命から20年以上経った現在においても、
テクノロジーはいまだ可能性と拡散性に富んでいる。
例えばAI(人工知能)・クラウドファンディング・仮想通貨(電子マネー)といったように、
インターネットを基軸としてあらゆる媒体において発達の余地が広がっている。
またテクノロジーだけでなく、
先述したようなイノベーションに伴い、
人の文化や価値観も大きく変化している。
あらゆる物事がその根底における変化の兆しを覗かせており、
向かう方向はNeのようにランダム性を有している。
Feが衰えたわけではない - 炎上するSNS -
マスメディアに対抗するが如く発達したインターネットメディアによって弱まったと思われたFe的文化・価値観だが、
実際の所はそうとも言えない。
例えば災害・事件等における不謹慎狩りや有名人や企業の不祥事等によるSNSの炎上などは、
Fe的文化や価値観がその動機付けとなっていると思われる。
即ちその根底には、
国民が共有する倫理観・道徳観等の価値観や文化の存在があり、
個人に情報を発信する力があることで、
むしろFe的な動機付けが爆発しやすくなっている現状があるのだ。
個人を主張する媒体が発達すると同時に、
集団の価値観・文化の共有も容易になっており、
ある意味一筋縄ではいかない時代に突入したといえる。