[2019/02/03]
ESTPの代替機能
今回からは各タイプの代替機能の役割について考えていきたい。 MBTIにおいて心理機能の発達という概念があり、 優勢機能のみに頼ることは奨励されていない。 であれば、 代替機能がそのタイプにどのような影響を与えるのかを改めて考えたい。
社交の幅を広げる
具体的には言語によるコミュニケーション力の向上が挙げられる。
SeとFeは外向機能同士でありながら、
前者が客観的事実や行動に、
後者が人間自体に焦点を当てているといった違いがある。
すなわち、
Seは行動主体のコミュニケーションを好む一方で、
言語によるコミュニケーションはさして得意でもないという特徴を持っている。
確かにESTPはE型であるため元から社交的なタイプではあるものの、
Seの影響でともすれば軽薄でドライな印象を与えてしまう。
しかし、
Feを上手く使うことで言語に対する意識が変わる。
なぜならFeが人間とりわけ他人の心理に焦点を当てている機能であるからである。
Feを上手く働かせることで人間関係が円滑に動き、
その幅も広がるといった効果が生み出されてる。
社会的意義や社会的評価
Seによる状況把握力とTiによる自律的な判断によってESTPが図抜けた行動力を持っているのは事実である。
しかし負の側面として、
しばしばその行動には自他両方に対するリスクが含まれている。
トラブルメーカーとも評されることのあるESTPがFeを発達させることで、
その行動に社会性が付与されることになる。
Tiは独自の立場から合理性を追求することで物事の最適解を導こうとするが、
その解が倫理面において不十分とされることもままある。
Feは人の情緒的な側面に対する理解力に優れた面を持つため、
この場合Tiの上記のような側面を上手く抑える効果を発揮する。
すなわちその判断における性急さが緩和され、
より多くの人間の共感や納得を得ることができる。
これはパブリックイメージを求めるSeの欲求をも同時に満たしており、
すなわちFeが補助機能の代替として主機能に影響を与えているということである。
ネガティブな影響について
時には先述した影響が裏目に出ることもあるだろう。
コミュニケーションの幅が広がることで他人を操作的に扱って(Fe)、
自己の利益を貪ろうとしたりする(Ti)ことなどがその一つである。
また、
支持者が増えることについても良いことばかりとは限らない。
たしかにFeによってより多くの人間から支持を得られるような判断力の幅を得られるかもしれない。
とはいえあくまでも優勢機能はTiであるため、
本質的な性急さは健在しており、
すなわち行動においてリスクを取るといった基本的な性向も在り続けている。
なので母体が大きくなった分だけ失敗した際のリスクも大きくなるというネガティブな側面もあるといえる。