[2019/01/02]
ESTPとISTPの違い
今回から、 向性(E/I)以外が同じ文字のタイプ同士の違いについて考えていこうと思う。 というのもこれらのタイプ同士は内面いわゆる価値観が非常に似ているため他人から見た際も見分けることが困難な場合がある。 それもそのはずで、 順列が違うだけで得意な機能と不得意な機能が同じだからである。 というわけで、 タイプ同士の違いを考えていこうと思うが、 まずは共通点について見ていきたいと思う。
ESTPとISTPの共通点
・物質主義のリアリスト
・行動の自由を求める
・「力」にこだわる
SeとTiの組合せは両タイプに即物的な価値観を与えている。
五感で把握できるものを重視する(Se)性向と無機質なロジックを好む(Ti)面が合わさることで極端なまでのリアリストが出来上がるのである。
また、
人間同士のつながりを重視するFeが代替機能と劣等機能になっていることも上記の性質に拍車を掛けている。
つまり、
人としての感情や理性(Fe)を一旦度外視して客観的事実(Se)にこだわるといった傾向が強いのが両タイプの特徴となる。
他には行動の自由、
つまり自身の判断で物事を進めていきたいという欲求が強い部分が共通している。
これは自分独自のロジックで物事を解釈するTiによる所が大きい。
自由に行動したいというのはP型全般の特徴ではある。
しかし、
例えばSeが主機能であるESFPは代替機能にTeを持つため、
人によってはそれなりに組織行動が得意なタイプでもある。
何事においても自分頼みになりがちなのはTiの大きな特徴の一つでもある。
また、
「力」いわゆるパワーバランスに対する意識の強さも両タイプの共通項だ。
TP型は総じて個人主義的価値観を持っているが、
それに加えSeが優勢機能である両者は非常に現実的な側面から人間関係を捉えている。
平たく言えば腕力や容姿、
権力といった物差しで人間関係を測っている側面がある。
こういった性質はTeと似ているが、
その根拠がどこにあるのかという点で異なっている。
すなわちESTPとISTPはTiを優勢機能として持っているため、
その根拠はより強く個人と個人間に由来している。
社会的価値やルールなど外的な枠組みの中における客観的な根拠に由来するTeとの違いはそこにあるといえる。
ESTPとISTPの違い
両者の最も大きな違いは「力」についての考え方にあるといっていいだろう。
簡単に言えば、
権威に対する意識が両者の間では異なっている。
すなわち、
ESTPは比較的権威を重視するのに対して、
ISTPは権威を軽んじているという違いがある。
このような両者の差はFeの順番の違いによって生じている。
まずESTPはFeを代替機能として持っている。
よってESTPは人間関係において主機能のSeを軸としつつも代替機能Feを併用することになる。
本来Seにとっての力とは腕力や容姿など物理的・肉体的なものや、
社会的地位といったステータスの類であるが、
これにFeが加わることによってより理性的で社会性を加味したパワーバランスを意識することになる。
つまり相手がどこに所属していてどれほど周囲から支持されているかといった言わば背景にある力まで測定することになる。
言うなればESTPは力について個人を超越した政治力も考慮に入れているといっていいだろう。
良く言えば意外にも調和のとれた人間関係を取れる、
悪く言えば日和見的な立ち振る舞いを得意としているともいえるだろう。
対してISTPはFeを劣等機能として持つため、
お互いの背景にある人間関係を差しおいて、
個人としてどの程度の能力を有しているかに意識が向いている。
Feが劣等機能なので集団の意見や常識といったものを嫌う傾向が強く、
より個として主観的な立場をとる。
良く言えばある種のフェアプレイ精神の持ち主ともいえるが、
悪く言えば極端なエゴイストであるともいえるだろう。
ESTPとISTPは個人に焦点を当てると見分けがつきにくい場合が多いので、
彼らが属するコミュニティなど環境を絡めて考えると見分けがつきやすいだろう。
すなわち環境と同化して政治力を有しているESTPと、
より個として自律性を有しているISTPといった違いがみられる。