[2019/01/10]

ESTPとENTPの違い

さて、 今回からは補助機能・代替機能が共通しているが主機能が違うタイプ同士の違いについて考えていきたい。 言わば前回までとは逆パターンの比較方法ということになる(前回までは主機能が同じで補助機能・代替機能が違うという組合せ)。
 また、 今回は前半と後半に分かれている。 といっても考え方自体は変わらず、 表面的な部分が分かれている。 具体的には、 前半4組は知覚機能(S/N)が異なっており、 後半4組は判断機能(T/F)が異なっている。 というわけで今回はESTPとENTPの違いについて考えていきたい。

悪目立ちしがちな行動先行型

ESTPとENTPは非常に大胆な行動力の持ち主であるが、 そういった側面がしばしば悪目立ちしてしまう傾向にある。
 まず、 両者は外向知覚機能が主機能であると同時に内向知覚機能が劣等機能となっている。 なので、 腰を据えて一つの物事に当たることを苦手としており、 逆に多種多様な情報に触れるためのフットワークの軽さが強みである。 ここでポイントとなるのが、 あくまでも情報に触れることを重視しているという点だ。 すなわち、 明確なゴールを見据えての行動というよりも、 新しい情報を得るために行動する必要があるといった意味合いが大きい。 これこそが外向知覚を主機能とするタイプの基本的な行動原理となる。
 加えて、 ESTPとENTPは補助機能にTiを持っており、 規則や秩序といった外的枠組みよりも自分独自のロジックを信頼する。 なので必然的にその行動に伴うリスクが多くなり、 そのことで周囲からの信頼を失ったりすることもままある。

多動的なESTP

ESTPは主機能がSeなのでその意識は今この瞬間に向けられている。 行動的であるという性質はE型全般に見られる特徴であるが、 中でもとりわけESTPは行動派のタイプであるとされている。 これは主に劣等機能Niと補助機能Tiの影響が強く働いている。
 Niを劣等機能に持っているため、 その行動が未来に及ぼす影響をあまり考慮しない傾向がある。 逆に言えば、 だからこそ自身の行動に疑問を抱かずに積極的に活動できるともいえる。 思い立ったら即行動、 見る前に飛び込むといった類まれな行動力の基礎的な原動力となっている。
 加えて補助機能にTiがあるため、 その行動が他人にどう影響を与えるかといったことも気に留めない上に、 劣等Niも相まって物事を俯瞰的・本質的な視点で考える事も苦手としている。 良くも悪くも16タイプの中でも、 ずば抜けた行動力を持つタイプといえるだろう。

実験的なENTP

ENTPはESTPに比べて実験的な行動や思考が多いという点で異なっている。 これは主に劣等機能Siの影響が強く働いている。
 Siは伝統や慣習といったものを好むが、 このSiが劣等機能であるENTPは未知の可能性を追いかけて活動する。 それを補う判断機能はTiなので、 自分独自のロジックを頼りに計画を実現しようとする。
 ここでも劣等Siがポイントとなる。 すなわち、 前例や実現可能性に乏しい事柄であっても理論上納得がいけば実行しようとするのがENTPにおけるTiである。 これは、 理論それ自体の整合性にこだわりを見せるINTPのTiや、 ESTPとISTPの実務レベルにおける独断としての趣が強いTiとはやや異なる性質を持っているといえるだろう。

実務か理論か

最後に、 両タイプが組織や仕事においてどのような違いが見られるかについて解説したい。 簡単にいえば、 ESTPは実務重視で位・部門を選ばない、 ENTPは理論重視で位・部門を選ぶ傾向にある。
 上記の違いは単にS型とN型の違いといってもいいかもしれない。 ESTPはS型なので前例・経験・結果など地に足のついた物事を信頼する。 そのため、 意外にも大抵の役職や職種に対して幅広い適性を持っている。 ENTPとは異なり、 置かれた場所で咲けるタイプと言える。
 対するENTPはN型なので、 独自の視点や解釈を持って物事に当たろうとする。 そのため、 基本的にルーティンワークと相性が悪い。 しかしながら、 世の多くの職種において大なり小なりルーティンワークは必要とされており、 ENTPの改善欲求や好奇心を満たせる職種自体が限られているというのが現実である。 加えてENTPは物事の根幹に影響を与えるような立場にあろうとするので、 組織に対する適応性の面でも低い方であると言わざるを得ない。 なぜなら広く大きな影響力を持っているのは組織において上層部など限られた層であるからだ。
 両者とも強い個性を持つESTPとENTPであるが、 その仕事のやり方において意外にも保守的で地に足のついた側面のあるESTPと、 理論家で強い自律性を持つENTPといった風にその実態は想像以上に異なっているといえるかもしれない。


category:MBTI

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