[2019/10/22]

【MBTI解説】主機能と補助機能の違い【P型編】

各タイプの持つ優勢機能において、 類似点・共通項が見られることもあれば、 逆に相反する性向が存在していたりする。
 それらを改めて認識することによって、 そのタイプについてより深遠な理解に到達することが出来るだろう。
 今回はP型の優勢機能同士の違いについて考察していきたい。

【ESTP・ISTP】の優位機能Se・Tiの違い

[類似点・共通項]

 ・事実
 ・客観性
 ・シンプルさ

「事実」について、 感覚機能であるSeと思考機能であるTiは、 共に事実を追求する点で似通っている。
 Tiに関して、 思考機能がそもそも客観的事実への到達や、 妥当な事実に近づける機能であることからもそれが理解できるだろう。
 またSeについても、 外向機能であるため、 客体を基準にして自らを方向付ける性質を持っている。 即ち両機能は「客観性」という点においても類似性を確認することができる。
 従って、 事実をありのままに知覚することにかけてはSeの右に出るものはいない。 事実を独自に加工することなく、 「シンプル」に認識する。
 Tiにおいても、 独自の明快な基準に基づいて辿り着く結論はシンプルである。 事実を整理・分析するプロセス複雑であるが、 複雑なプロセスを辿るほど、 出力された結果は明快なものになっていく。

[相違点]

 ・実践と理論
 ・帰納と演繹
 ・点と線

感覚を志向するタイプにとっての現実とは、 まさに自分の目や耳で確認することの出来る事実たちのことである。
 要するに自分自身に近い対象であればあるほど、 リアルであり現実となる。
 外向的な構えを取る感覚型として、 客観的且つ明快である程、 その現実が重要視される。
 即ち百聞は一見に如かず、 物事は「実践」してこそ価値があるし、 実践を通して、 それがより現実のものとして認識されるのである。
 これは、 独自の基準や指針を用いて内省することで、 より深く現実を認識していくTiとは対照的な性質であるといえる。 言わば自分なりの「理論」を用いて頭の中で現実を展開していくようなものであるからだ。
 独自の前提からロジックを展開していくプロセスは「演繹」的でもあり、 既成事実から「帰納」的にロジックを展開させるための要素であるSeとは対照的といえる。 というより、 SeとTiではそもそもの着眼点が違うといっていいだろう。
 「点」に重きを置き、 より正確に事実を把握するSeに対し、 「線」に重を置き、 事実同士を繋ぎ合わせるTiといった違いがある。
 同じリアリスト同士であっても、 忙しなく活動するESTPと、 自分なりのロジックを重視するISTPという違いが見られるのは上記の性向に依る所が大きい。
 同じ優勢機能を持っていても、 順列が異なることによって性格に違いが生じている。

【ESFP・ISFP】の優位機能Se・Fiの違い

[類似点・共通項]

 ・フィーリング
 ・心地よさ

理屈よりも「フィーリング」といったように、 まさに感じるままに物事を捉える気質が似通っている。
 フィーリングを重視するが故に、 「心地よさ」を求める点も共通項となっている。
 Seには享楽的な意味合いが含まれてはいるものの、 心地よさを追求するという点では共通している。
 将来性や計画性には乏しいものの、 今一瞬を享受する素質に恵まれている点はESFPとISFPの共通項でもある。

[相違点]

 ・客観と主観
 ・点と色

客観的事実に忠実なSeと、 個人的価値観に忠実なFiとの間には、 「客観と主観」の違いがあるといえる。
 このあたりは機能もそうだが、 向性の違いに依る所も大きいだろう。
 内向機能であるFiには、 事実に対して独自の加工を行う性向がある。
 判断機能でもあるため、 事実に対して何らかの意味付けを行うことになる。
 言わばSeが「点」をありのままに捉える機能であるとすれば、 Feは点に「色」付けを行う機能であるといえる。 つまり点それ自体に対する重要度に両者の違いがある。
 従って、 事実や状況により強く左右されるESFPと、 それらが自分自身にとってどういった意味があるかを考慮するISFPといった違いがある。

【ENTP・INTP】の優位機能Ne・Tiの違い

[類似点・共通項]

 ・本質把握
 ・アイデア/解法

物事を多面的に理解するNe、 物事の普遍性や法則性に焦点を当てるTiとの間には、 「本質把握」という共通点がある。
 物事をあらゆる視点から解釈し、 可能性を知覚するプロセスにおいて、 対象の本質に迫るのがNeという機能である。
 Tiにおいても、 対象をより深く理解するために、 その本質までをも包括することはごく自然なプロセスであろう。
 上記の性向に伴い、 両者とも問題解決に係る「アイデア」や「解法」を導くことも得意としている。
 議論等他者との交流も含め、 積極的に情報を収集するNeと、 独自の考えることで答えを導こうとするTiという違いこそあれど、 両者の辿り着く先は問題解決という点で似通っていることが多い。

[相違点]

 ・点を増やすか点を繋ぐか
 ・相関関係と因果関係

「点を増やすか点を繋ぐか」、 両者の違いを端的に表せばそう言えるだろう。
 Neにおける、 物事をあらゆる角度から解釈したり、 様々な可能性を思い付く性向は、 認識される事実が増えるという意味で「点を増やす」ともいえる。
 対するTiは事実同士を繋ぎ合わせ、 何らかの意味を付与するという意味では「点を繋ぐ」といえる。
 物事の本質やパターンを認識するNeと、 原因と結果を明らかにするTiといった違いがある。
 この違いはまさしく「相関関係と因果関係」の違いのそれと同じである。
 AとBという物事の間に何らかの関連性を見出すNeの資質は相関関係を、 AとBの間に原因と結果の関係性を見出すTiの資質は因果関係を思わせる。
 以上から、 心身共に忙しなく活動するENTPと、 そのエネルギーの多くを思考活動に充てるINTPといった違いが生じている。

【ENFP・INFP】の優位機能Ne・Fiの違い

[類似点・共通項]

 ・多面性/多様性
 ・事実と影響

NeとFiにおいては「多面性と多様性」の観点においてよく似通っている。
 物事を様々な視点から解釈する、 即ち物事に「多面性」を見出すのがNeという機能といえる。
 一方、 個々人の価値観を何よりも重視するFiにとって 「多様性」こそ人間性を形作る重要なファクターといえるだろう。
 また、 事実同士に関連性を見出すNeと、 事実が人に与える影響に焦点を当てるFiの間には、 「事実と影響」という点においても類似性が認められる。
 Seのように対象を一つの点としてありのままに捉える機能とは異なり、 点を捉える角度にこだわるのがNeという機能であるし、 点そのものより、 独自の価値観や関係性によってそれを色付けることに重きを置くのがFiという機能である。
 つまり両者とも事実が及ぼす影響に焦点を当てている部分がある。 ENFPとINFPの個性や自由に対する意識の高さは上記のような性向に由来している。

[相違点]

 ・全体と個人/客観(俯瞰)と主観
 ・開放性と閉鎖性

多面性や多様性への理解という点で似通った両者ではあるが、 「全体と個人/客観(俯瞰)と主観」という点ではむしろ対照的な面を持っている。
 Neの持つ多角的視座は客観的態度からもたらされるものであるし、 その視野は全体像を俯瞰するために広がっていく。
 これは、 個人的価値観に従って物事を主観的な立場から判断するFiとは対照的な資質であるといえる。
 また、 Neは多角的視座を有する知覚機能として、 情報に対する開放性にも富んでいるが、 この点もFiとは対照的である。
 なぜなら、 内向判断機能として、 独自性が強いものの、 確固とした価値基準・判断基準を有しているのがFiという機能であるからだ。
 その判断プロセスにおいて外界の干渉は拒まれており、 即ち両機能は「開放性と閉鎖性」の観点において異なる資質を有している。
 以上より、 他者との交流が前提にあり、 如何にして心からの交流を図ることが出来るかに焦点を当てているENFPと、 個人の尊重を前提として、 如何に個人を認め合えるかに重きを置いているINFPという違いがある。


category:MBTI

管理人:tosh
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