[2018/08/15-2020/01/18]
松本人志 [ISTP]
-目次-
向性/E型かI型か
比較的明快なI型の人物と思われる。
例えば、世間の流行や感覚よりも自身の求める笑いや芸風を貫こうとする姿勢をI型的な要素として挙げたい。
確かに芸風などは向性に関わらず各芸人が持っているものではあるだろう。
しかし彼の代表的な著書「遺書」にもあるように、世間の物差しに合わせるつもりはないとしている。(才能を小出しするとは述べていたが)
ほか、人見知りで内気な面などがI型的な要素として端的に挙げられる部分だろうか。
総じて、周囲の動向や状況に積極的に関わることよりも、こだわりや独自の美学を重視する人物であり、I型が妥当な線ではなかろうか。
知覚/S型かN型か
知覚軸が彼のタイプ判定における肝といえるだろう。
彼の自律的な態度や企画力をもってN型の根拠とする見方もあるかもしれない。
これについて詳しくは後に記述するが、彼の主機能Tiに由来するものであると考える。
むしろ彼の着眼点自体は現実的であり、即ちS型の範疇であるように思われる。
I型の内省的な側面をN型の概念的・抽象的な側面と誤認しているケースも多いのではないだろうか。
判断/T型かF型か
判断についてはT型が明快な方ではないだろうか。
自身の価値観にシンプルに従うというよりは、何らかの理屈付けをしたがる傾向が見受けられる。
その傾向は芸に関する事以外においても見受けられるためT型が妥当な線であると思われる。
態度/J型かP型か
彼の笑いに対する考え方、即ち独自の哲学にP型的な性向を見出した。
「遺書」などにおいて、笑いはこうあるべきなどという考え方は害悪であると、芸における体系的な考え方を批判している。
その一方で自身の笑いに対する考え方を貫こうとする姿勢があり、判断を内向している、即ちP型であると考える。
主機能Ti-補助機能Se
第一に、周囲から距離を置き内省するTiが主機能として働いている。
彼の個人主義的な部分の多くがこの主機能Tiに起因していると思われる。
補助機能がSeであるため、独自の思考判断が現実に適用させる方向に向いている。
独自のお笑い哲学を貫くと同時に、結果を出すことにシビアな面はこのSeに依る所も大きいだろう。
Neのように解釈の余地や視点の自由さに重きを置いていないため、INTP程マイペースで飄々とした生き方が難しいのがISTPの特徴の一つといえる。
まああくまでもINTPとの比較であって、他のタイプに比べれば自律性やマイペースさの目立つタイプではあるが。
代替機能Ni
後の項目でも言及するが、INTJと誤認される主な原因の一つがこの代替機能Niであろう。
確かに彼の場合Niがよく発達しているのか、理知的・戦略的、或いはシュールで喩え上手な面などが散見される。
すべらない話やドキュメンタルなど企画力に富んでいる面もNiに由来する部分はあるだろう。
また、人の気持ち(Ti自身も含め)に鈍感と言われがちなTiであるが、代替機能にNiを有するISTPの場合、人や物事の見えない部分に敏感な所がある。
ISTPが繊細で不器用、とりわけ人間関係において不器用な面を持つのは上記に由来する部分も大きい。
終始人や物事について理屈で捉えることによって人の気持ちや空気が読めない傾向にあるINTPとは、同じFe劣等でもそのあたりが異なっている。
その観点から考えた場合でも松本人志は分かりやすく前者のタイプ、即ちTi-Ni(ISTP)が妥当な線といえる。
劣等機能Fe
孤高で取っつきにくい面がある一方、人間関係の些細な事について思案する一面を持っている。
単に人見知りというだけではなく、他者の言動の細かい部分について考えていることも多く、であるならばTeよりもFeが適当となる。
Niも相まって、他者の言動を深読みすることもままあり、その辺りもISTPらしい一面といえるかもしれない。
終始理屈で捉えようとすることでかえって他者の言動の意図に気づきにくい面を持つINTPとの違いがそこにあるといえる。
頭で考えすぎるわけではないが、しかし目の前の現実に意識が向かいすぎることで深読みしてしまうのがISTP的な劣等Feの発露である。
INTJ -肯定説-
徹底して我が道を往く自律性は、確かにINTJのそれを彷彿とさせるだろう。
上の世代への対抗意識といったように、いわゆる尖ることは大抵の人間が若い時分に経験することかもしれない。
しかしながら彼のそれについて、若さ以上に生来の気質に起因している部分が大きいように思われる。
現に彼が結婚する前あたりまで、即ち中年期においてもその傾向が見られた。
彼本来の気質として、笑いに対して妥協を許さないストイックさ、つまりは理想主義的な気質を有しており、それこそが彼がINTJであることを裏付ける要素の一つといえるのではないだろうか。
また、笑いや芸風に妥協しない職人的或いは芸術家的側面を有する一方、賞レースなど客観的な成功にシビアな側面も有しており、この辺りはTe-Seのラインに起因していると思われる。
というわけで、敢えて松本人志INTJ説の肯定派として論じてみたが如何だったろうか。
多少の雑さはご愛敬として、巷で耳にする松本人志INTJ説の論拠とある程度は近いものを用意できた、と思いたい。
INTJ -否定説-
肯定説の論拠のほとんどをISTPの心理機能(Ti-Se-Ni-Fe)で説明できる。一言で言えばそういうことになる。
彼の持つ自律的な資質やこだわりの強さは主機能Ti-代替機能Niで充分に説明が付くし、客観的な成功を重視する側面もSe優位のタイプとしては最もなことだろう。
また、女優や歌手との浮名から風俗遊びといった女性関係の派手さもINTJ説を否定する材料の一つといえる。
指標面においても、J型らしからぬ側面を有している人物である。
笑いに対して強いこだわりを持っている一方、さほど体系的・断定的な考えは持ち合わせていない部分などをその一例として挙げたい。
まあINTJは直観主機能のタイプなのでイメージよりも柔軟な部分はあるのは確かだが。
一番はやはり冒頭で述べた通り、INTJと思しき資質についてISTPの心理機能等によって説明できてしまうという点が大きい。
いずれにしても、INTJとしての決定打に欠けている部分は確かであろう。
まとめ
巷でもしばしば議論されている人物。
様々な意見が飛び交っているようだが、面白いのはI型であるという点が共通していることだ。
それ程までに彼の向性が内向きである点は疑う余地がないということなのだろう。
にも関わらず主機能からして異なるタイプ判定が飛び交うという事実が即ち興味深い所である。
今回の場合はTi主機能(ISTP)かNi主機能(INTJ)かという点が最大のポイントとなった。
両機能の間に強い自律性という共通項・類似点があることがタイプ誤認等の原因になっていると思われる。
主機能単体で判別できない場合は補助機能を始め、他の機能からのアプローチを取ってみるというのが基本であり、今回のケースも同様である。
今回のケースであれば、補助機能がSeなのかTeなのか、劣等機能がFeなのかSeなのかというアプローチに収束する。
そこにおいてやはり松本人志という人物はSe優位のFe劣等が妥当な線であるという結論に落ち着いていく。
Te優位はともかく、Se劣等は適当ではないし、逆に言えばFeが劣等という線は充分にあり得るという所感が大きい。
詰まる所消去法によって結論を導き出すというのが、とりわけ今回のケースから窺える思考法ということになる。